2013年2月19日火曜日

形式3400








今日の古典機 2012/02/19  形式3400 




「姉妹機・兄弟機・ライバル機シリーズ」と題して、ある車種とある車種を比較しながら、
古典機の深い世界を知っていただこう、という企画の第3回目。
当分忙しい事が続きそうなので更新が不定期になるかもです。。ゴメンナサイ。。。



形式3400は、米国ピッツバーグ(Pittsburgh)社から南海鉄道と播但鉄道、豊州鉄道、横浜鉄道に23両導入された40t,軸配置2-6-2(1C1)のタンク機関車です。



先にピッツバーグ社について簡単に解説をしておくと、ピッツバーグ社は世界の「鉄鋼王」として名高いアンドリュー・カーネギーが創設した機関車メーカーです。
しかしながら工場の規模は決して大きくなく、生産能力が高くなかったため官鉄には一輌も納入できずにいました。
ただ品質はボールドウィン社よりもはるかに高く、(米国メーカーの中では高品質として有名な)スケネクタディ(のちにアルコに統合)とほぼ拮抗した腕前でした。
後にアルコ(American Locomotive米国内で、最大手ボールドウィンに対抗するため中小メーカーが集結してできた会社)に統合されました。



この機関車は、そのピッツバーグ社の代表機関車です。(一番有名な機関車は別ですがw)
最初に南海鉄道と播但鉄道に納入されたのは1896年(明治29年)、
最終的に横浜鉄道に納入されたのが1907年(明治40年)ですから10年近くも同じ形式が製造され続けたことになります。
まさに同社のスタンダード。最後に横浜鉄道に納入された時には、既に会社はアルコに統合された後でした。

ピッツバーグの機関車としての特徴は、デザインがとても洗練されていて、力強さの中にも技術への自信が感じられるところでしょうか。
特にこの機関車は秀逸で、「1号機関車からC63まで」の片野正巳さんが解説内で「群を抜いて姿かたちの良い」と評されるほど。


特記事項として後年の近代機C55などが採用した「水かきスポーク(リム強化スポーク輪心)」をピッツバーグの機関車は“全機”使用しています。
丈夫で長持ちする水かきスポークは製造に高い技術力が必要です。それができたのは、親会社が鉄鋼王の大企業で金銭的余裕があったからに他なりません。

米国型機関車は、力強い反面、粗悪な作りで耐久性に難があるとよく言われます。
現に米国型機関車はその導入数と比較して、とてもとても保存車が少ないです。
でも、ピッツバーグの機関車は質の良さが買われその多くが晩年まで使用され、形式2850は現在も東京都の東品川公園に保存されています。


空気制動機を強いられて、見た目がガラリと変わった末期。原型も魅力的ですが、空制後はまた違った魅力があると思います。
(西尾克三郎氏撮影)


ひとことコメント: 「姉妹機・兄弟機・ライバル機シリーズ」というのをやろうと考えて、
頭の中で真っ先に浮かんだのがこの機関車と次回紹介する1形式でした。
クラウスよりも先に浮かんだことに自分の頭の回路を疑いたくなりますがw

次回はこの機関車の兄弟機を紹介したいと思います。
質の良いとされる会社は、どこも同じようなスタンスを取ります。ピッツバーグ社も例外ではありませんでした。。。。




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