2013年2月12日火曜日

形式10


留萌鉄道で最後の仕業に励む15号(西尾克三郎氏撮影)





今日の古典機 2012/02/11  形式10






 今日からは、「姉妹機・兄弟機・ライバル機シリーズ」と題して、ある車種とある車種を比較しながら、
古典機の深い世界を知っていただこうと思います。

形式10、ドイツのクラウス(krauss)が、1898年、九州鉄道開業時に導入した25t、Bタンクの機関車です。

九州鉄道は開業に当たってドイツの技術者を招いたことから、ドイツ型の機関車を導入しました
開業に当たって当形式と、独ホーヘンツォレルン社(Hohenzollern)の形式45とを比較使用され、
この形式の増備が決定した経緯があります。


(当時先に開業していた日本鉄道はイギリスの技術者を招いたのでイギリス型主流、官営幌内鉄道→北海道炭鉄道はアメリカの技術者を招いたのでアメリカ型主流です)

手ごろな大きさ且つ大変つくりが良く、高性能な機関車で、 当時としては20と言うなかなかの大所帯になり九州鉄道の主力機として活躍しました。

九州鉄道での評判を耳にし川越鉄道甲武鉄道両毛鉄道などでも同系機が5輌導入されています。


25輌にも及ぶ大所帯の形式であるため、製造期によって仕様に差異があります。
ボイラー上にある砂箱は、初期の7両は小型の円筒形タイプのものを装備していましたが、以後の増備車は勾配区間用に容量約2倍の箱型に変更されました。
 製番のラスト8両の車体については通常のリベット仕上げではなく、平頭鋲を使用して表面を平滑に仕上げたフラッシュ仕上げでした。




 古典機と言われるとこの機関車か1号機関車(形式150)かを思い浮かべる方は多いと思います
それもそのはず、4両もの保存車両が各地に残されています。

 
・九州鉄道15  北海道 沼田町ふるさと資料館 (留萌鉄道15
・九州鉄道17号 栃木県 那珂川清流鉄道保存会(留萌鉄道17
・九州鉄道19号 大分県 宇佐神宮境内(大分交通 26)
・川越鉄道2号   山口県 防府駅鉄道記念広場(防石鉄道 2)

これだけ保存されている古典機関車は他に例が無く、長寿命で愛された機関車といえますね。


 明治期の写真。(I.Wコレクション)バッファーや古風なテールライトにも注目。

ひとことコメント:記事遅くなってしまい申し訳ありませんでした。。
機関車の系譜図、臼井茂信さんの言葉を借りると「走って速く 引いて強い小妖精」。
まさに妖精。クラウス10は古典機界の妖精であり、アイドルですよね。
 その人気の秘密は高品質・長寿命で保存車が多いこともありますが、
やっぱり、形態的な魅力がとても感じられる機関車だと私は思います。

せっかく那須清流鉄道保存会で保存されて関東からも見に行きやすくなったので、実機に会いに行きたいですねぇ。。。 春には行けるでしょうか。。。

「姉妹機・兄弟機・ライバル機シリーズ」の第一弾にふさわしい機関車、明日は勿論あの機関車を紹介します



 

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