今日の古典機 2012/02/03 形式2800
奈良鉄道が1897年(明治30)と1899年(明治32)に導入した、古典機の中では有名な機関車です。
何が有名か、というとこの機関車、スイス製なのです!わが国に輸入された機関車はアメリカ製・イギリス製・ドイツ製がほとんどで、スイス製の機関車は本形式7両と、
九州鉄道が発注した形式1500、佐世保鉄道のケ215形などわずか4形式16両しかありません。
メーカーはSwiss Locomotive and Machine Worksで日本では「スイスロコ」や略称そのまま「S.L.M」、
所在地名(Winterthur)から「ヴィンタートゥール」とも「ウインターツール」とも呼ばれています。
やがて奈良鉄道は関西鉄道に吸収され、この機関車は奈良の地にふさわしい「三笠」の名称が与えられました。
また、公式ではありませんが「スイッツル」という愛称もあったそうです。
国有化後は福知山・姫路・亀山などに分散していましたが大正時代高知線開業に合わせて全車四国へ渡り生涯を終えました。
この機関車は輸入国・メーカーも去ることながら、動輪軸の車軸配置 (ウィキペディアに飛びます)も注目ポイントです。
2-6-0のモーガルタンク機というのは意外なほど少なく、
九州鉄道の形式2820(Brooks製)、阪鶴鉄道の形式2850(Pittsburgh製、現在は東京都東品川公園に保存)
があるのみとなっています。 本当に意外ですよね。
スイス製機関車の特徴をあえて挙げるとしたら(4形式しかありませんがw)
ドイツ流の機能性重視なデザインでありながら、さらに洗練されたデザインであっさりと静かにまとめている印象で、
また前面煙室扉の押さえ(クリートと呼びます)やヒンジが独特の形状をしているところでしょうか。
スイス機関車といえば形式2800。これはテストに出ますよ!
ひとことコメント: 機関車研究の教典である「機関車の系譜図(交友社)」の臼井茂信さんのコメントから抜粋すると
「整理しすぎた冷調な印象は否定できない」とのこと。確かにあっさりし過ぎている外見は、好みの分かれるところです。
ただ逆にこのスタイリッシュな外見は一部のコアなマニアの心をわしづかみ、TMSなどでモデル化された例も多いです。
気品高いイギリス型とも違う、荒々しく力強いアメリカ型とも違う、機能重視なドイツ型とも違った
スイス型の魅力を味わって欲しいなと思います。
※ で毎日古典機を1両ずつ紹介します。
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