今日の古典機 2012/02/26 形式210
「姉妹機・兄弟機・ライバル機シリーズ」と題して、ある車種とある車種を比較しながら、
古典機の深い世界を知っていただこう、という企画の第4回目。
形式210は、米国ピッツバーグ(Pittsburgh)社から徳島鉄道に3両導入された軸配置2-4-2(1B1)のタンク機関車です。
前回紹介した形式3400とは、動輪数以外、寸法やデザインなどがほとんど同調しています。
これは、クラウスの形式10や1400/1440のときの例と同じで、外見のみならず構造・軸重・取扱がほとんど同一で、ただ性能的には動輪数により牽引力だけが違う、というもの。
画期的で効率的な製造法ですが、実際こういった方法で製造を行ったメーカーは、(日本に入ってきたものだけを比較して)数少ないです。
ピッツバーグ社は、前回紹介した形式3400を23輌も輸出しています。10年間にも渡る長い間製造され、これらは、ほとんどマイナーチェンジも行われず製造が続けられました。
10年もあれば技術革新があって然るべきです。10年間も揺らがない緻密、かつ強い設計への自信があったからこそ、本機関車が派出し生まれた理由だと思います。
この機関車は、そんな「ピッツバーグの自信」を裏付ける形式かもしれません。
また、ピッツバーグの機関車は荒削りな米国の気風に逆らい、頑固で機能重視な形態をしています。同じことをドイツ・クラウス社の10・1400/1440にも言えるでしょう。
クラウス・ピッツバーグに限らず賢く堅実で機能重視なメーカーはこぞって機関車の規格化へ道を進めました。
後に日本車両や汽車会社といった日本の大手メーカーもこの手法をとって会社を大きくしていくのです。話を戻して、この機関車は少し面白い来歴を辿っています。
徳島鉄道に発注された3輌は、甲1形(1 - 3)と称し活躍したものの、1906年(明治39年)に国有化されて官設鉄道の210形(210 - 212)となりました。
しかし、少数形式淘汰の方針により212が小野田鉄道に、210, 211は美祢軽便鉄道に払下げられ、兄弟達?は離ればなれになってしまいました。。
そんな折、210, 211が移った美祢軽便鉄道(旧軽便鉄道法による軽便鉄道で軌間はサブロク)はこれまた国有化され、なんと、機関車は212の居る小野田鉄道に譲渡されることになりました!
まるでメロドラマのヒロインのような「運命の再会」ですね!「小野田の奇跡」!
ただほんの数ヶ月で、212は入替りに宇部鉄道に譲渡されてしまい、またまた離ればなれになってしまうんですが。。。。数奇な運命ですね。
経歴
ひとことコメント
とても素晴らしい形態のBタンクですね!いやぁ。。。うっとりするほど美しい機関車だと思います!
同じBタンクの中でも大動輪として有名な900・950とはまた違った、独特の面持ち。シビレますねぇ!
3400を語る上でも、ピッツバーグというメーカーを語る上でも重要な機関車だと思うんですが。。。
なんと片野正巳さんの「1号機関車からC63まで」には掲載されてないんです!判ってないなぁw
改訂版が出た際には是非とも追加して欲しい機関車ですねw
※筆者多忙につき不定期更新にしました。。ごめんなさい。。
定期的に記事を書くというのは大変難しいことですね。。。
日記も3日続かないような人間ですから目に見えたことではあったのですがね。。。
勢いで行動しちゃ駄目という事です。。ハイ。。